モラルの欠如

こんにちは。福岡市東区の行政書士【やどりぎ行政書士事務所】です。

さいきん車を運転していて、救急車がサイレンを鳴らしてきても、平然と走っている車が多いような気がしていました。

そして、あるとき、救急隊員からの「最近は救急車をよけてくれない車両が増えました」というSNS投稿で、それが単なる感覚ではなく、事実だったのだと分かりました。

皮膚感覚というのは大事だな、とあらためて思いました。(そして今後ますます重要になっていくに違いありません)

さて、モラルについての話。

モラルというのは、学校では教えてくれません。

(ぼくの学生時代には【道徳】という授業がありましたが、そんなものには、なんの意味もないと思っています)

しかし、一度でも海外に行けばよく分かりますが、日本という国は、本当にモラルのいい国だったのです。

ネットなどではよく、「日本のここがダメ」だの「日本人のこーいうところが、外国人に劣っている」といった極端な記事を見かけます。

でもじつは当の外国人のほうが、【日本人のモラルの高さと日本社会の潔癖さ】を、ちゃんと評価しているのです。

モラルは学校では学べません。では、モラルはどこで身につけるのか。誰から教えられるのか。

ぼくは、日本の『社会』こそがモラルを育むのだと思っています。

それは、「日本のコレコレこーいう部分」と、具体的に挙げられるものではなく、広範な、土壌としての社会全体が、です。

だから、若い世代などから揶揄されがちな、日本の古い体質や社会慣習、改革の対象に挙げ連ねられているライフスタイルの中には、じつは「モラルを育むなにか」がきっとあった……と思っています。

古くなり、価値を失いつつある体質や慣習。

その中には、プラスの要素……つまりモラルを自然と育み、学ばせる『何か』もあったはず。

それが壊され、変化していくうちに、日本人に当たり前に備わっていた「他者への思いやり」が、どんどん失われていく……。

土壌から自然と生み出されるものである以上、その土壌自体が変質してしまっては、もう二度と取り戻せなくなるでしょう。

救急車が来ても誰もなにも気にしない……それは、その不可逆的な喪失の、最初の現れなのかもしれません。

本当は、それこそが、アニメやゲームやマンガよりももっと世界に誇れたはずの、素晴らしい日本の文化だったのに。惜しいことです。